創立140周年を迎えて
今年、横浜共立学園は創立140周年を迎えました。
これまでの歩みの中で、どれほど多くの人達が学園に関わり、学園を支えてきたかを振りかえることは重要な事です。
歴史を振り返るとは、私達がどこから来て、どこに向かおうとしているかを考えることでもあります。
本年は「横浜共立学園の140年」と題する歴史写真集と「神に愛され、隣人に仕える人に」と題するDVDを作成しました。
その中に75年前の1936年に製作された「学園の1日」という映画記録を再録しました。
75年前のフィルムを持っている学校は少ないのではないかと思います。
このフィルムは学園の倉庫の中に缶入りの状態で転がっていたものです。
缶を開けるとプーンと強い酢酸の臭いがして、フィルムもくっついたまま、何が写されているのか全く判りませんでした。
専門業者に依頼して復元しました。
復元は完全ではありませんでしたが、見ることが出来るようになりました。
何だろう、始めは皆判りませんでした。
第3代総理のトレーシー先生や第4代校長のルーミス先生の姿、第5代校長の笹尾粂太郎先生の姿が写っていました。
資料室の記録の中に、1901年に24歳で本学園の校長に就任したルーミス先生が、戦争が激化する社会情勢の中、1936年(昭和11年)11月に米国に帰国することとなり、その年の10月にルーミス先生へのお土産として「学園の一日」と題する16ミリ映画を撮ったという記録が見つかりました。その映画だったのです。
今年4月の同窓会の総会で映写しました。するとたまたま出席していた現在89歳の卒業生の方が、私たちの時代だ、と感動され、その後当時の卒業生6人ほどが学園を訪問して下さり、映画を見ました。ここに写っているこの方は誰それさんで、この先生は○○先生です、と名前まで教えて下さいました。
この140周年記念ビデオのタイトルを「神に愛され、隣人に仕える人に」といたしました。これは、本学園の創立精神を表わす聖句、ルカによる福音書10章27節を、短い言葉で表したいと考え、この言葉にしました。聖書では「あなたの神である主を愛しなさい」ですが、それはその前に『私達が神さまに愛されている』という前提があるからです。そこで短くまとめる時に「神に愛され、隣人に仕える人に」としてみました。
この「隣人とは」が、いつも問題になります。隣人って誰だろう?と考えます。イエスは隣人は誰かではなく、自分が隣人になるのだ、と教えていますが、難しいことです。
学園の歴史をみると、始めのころから生徒の中には、大勢の外国の人達がおりました。欧米人だけでなく、アジアの国々の人達もおりました。日本人だけでなく、外国の多くの人達によって学園は支えられてきたのです。
学園のシンボルとなっている本校舎は、現在も使用しています。しかし、これは関東大震災で完全に校舎を失った学園に、ある匿名の一人の米国婦人が、見ず知らずの日本の、この学園のために多額の献金をしてくださったことで建築されました。いまこのような建物を建築するとしたらどれほどの金額がかかるかを想像してみてください。
私達はそのことを忘れてはいけないのです。
歴史を振り返るとは、私達がどこから来て、どこに向かおうとしているかを考える、そのことが重要なのではないかと思います。140周年を迎えて、心に刻みたいことだと思います。
隣人に仕える人になる、その隣人とは、自分の身内や、身近な人だけはなく、神さまに創られ、神さまに愛されている世界中の人が、私たちの隣人であることを、心にとめたいと思います。
(中高礼拝奨励の抜粋)










